日本教育工学会第27回全国大会(首都大学東京 南大沢キャンパス)のワークショップの企画・実施に参加させて頂きました。
そこで今回の「事務局だより」では当日の会場の様子をレポートします。
大会企画委員会が中心となって開催するこのワークショップは、参加者(それぞれのワークショップ主催者)が設定した教育工学に関連するテーマについてインフォーマルに語りあう場です。
日本教育工学会のプログラムにワークショップが追加されたのは第25回大会からですが、年々参加者も増加傾向にあり、ワークショップ型の学びが幅広い分野で活かされているようです。
◆ワークショップのテーマ◆
震災や危機的状況への対応を考える
―震災の被害を受けた小中学校に向けて教育工学として貢献できること,また変動社会における職業変動と職能育成のための生涯学習システムの構築について考える―
2011年9月17日(土)18:00~19:30
主催者:小柳和喜雄先生(奈良教育大学)、東原義訓先生(信州大学)
共催者:西之園晴夫(NPO法人学習開発研究所)、 生田孝至先生(新潟大学)、苅宿俊文先生(青山学院大学)、
菊地奈緒美さま(青山学院大学)、小林遼平さま(青山学院大学)、堀出雅人、日高由紀(NPO法人学習開発研究所)
東日本大震災で多くの人や学校が被災し,学習や就業の機会を失う事態が生じた。これへの対応を考えていくためには,従来のフォーマル学習(学 校、大学、専門職業教育)では十分に対応できないことが言われてきている。そこで,現在できることと,今後すべきことなどを,学習成果の質保証とその社会的認証などの課題にも目を向けて,低コストの学習機会を提供する技術・実践の蓄積方法,それらを見通す生涯職能学習システムの構築を「学習論」の視点から 考える。(1)大災害時の危機的状況における学習機会の提供,(2)学習成果の質保証と社会的認証,学習コストの低減化などで,教育工学ができることをワークショップを通じて考える。
◆ワークショップの流れ◆
進行:苅宿先生
・あいさつ(西之園先生)
・趣旨説明(小柳先生)
・ワーク①課題提示(東原先生):大災害時の危機的状況において私たちに何ができるか・やりたいか…参加者全員が7チームに分かれて改善具体化カードに記入して対話をし、出たアイデアを活かして簡単な企画書を作成するワーク
企画書ベース.pdf
・リアルコミュニケーションツール ビタハピを使ってのコミュニケーションゲーム(青山学院大学の皆様)
・ワーク②KSPLがこれまでに調査してきたことの事例紹介(堀出kspl事務局長)…紹介された事例や問いかけをテーマにチームで対話
・まとめ(西之園先生):被災地域で仕事を創る―学習成果の質保障、社会的認証、学習コスト低減化について
・あいさつ(生田先生)
ワーク①で参加者が作られた企画案は、翌日の懇親会会場にも掲示され紹介されました。
苅宿先生のアドリブ満載の華麗なファシリテーションのもと、日本教育工学会が取り組むべきテーマを改めて見つめ直す機会となりました。
最後になりましたがワークショップにご参加いただきましたみなさまご賛同いただきました先生方や関係者のみなさま、どうもありがとうござました。
次の「事務局だより」では実際に参加者のみなさんが作成された企画書の内容を報告できればと思います。お楽しみに。